東大卒・FIRE経験者の著者だそうです。
新NISAの理解のために必要な事前知識
金融商品について
・株式
・投資信託
・REIT(リート)
株式
企業が資金調達の目的で発行した証券のこと。
たとえば企業が株を10万株発行して大勢の投資家が1株あたり1,000円で購入したとすると1億円が企業に入り、投資家たちの手には株式が手に入る。
株を持つメリット
・配当金をもらえる
・株主優待をもらえる
・値上がり益を狙える
配当金をもらえる
企業が生み出した利益を株主還元する。持ち株数に応じて受け取れる現金。
配当金が支払われる時期は企業の決算時期によって異なるが概ね年に1、2回。
決算の2〜3ヶ月後くらいに受け取る。
すべての企業が配当金を支払うわけではない。
企業によっては利益があっても配当金を支払わないし、逆に利益がなくても配当金を支払う企業もある。
ただし配当金を株主にわたすとその分株価が下がる。1株50円の配当金を企業が出した場合、株価が50円分下がる。この現象を「配当落ち」と呼ぶ。
さらに配当金に現金がかかるから配当をもらった瞬間はトータルではマイナス。
ただし経営状態がいい企業だと配当落ちで株価が下がったときに多くの投資家がその株を欲するので再度株が買われて株価が戻るケースが多い。
成長企業を買っていると長い目で見たらプラスになる。
株主優待をもらえる
株主優待は配当金と同じタイミングでもらえるが、配当金は半期に一度、株主優待は年に一度ともらえる回数が違う場合もあるのでチェック。
多くの投資家からお金を集めて、それをプロが運用して得た利益を投資家に分配する金融商品のこと。
株式投資はまとまったお金が必要だが投資信託は小学から購入可能。
株式投資と同様に元本割れのリスクは有る。
投資対象をいくつも組み合わせて購入しているので株式投資よりはリスクが分散されている。
投資信託には「アクティブ運用」と「パッシブ運用」の2種のスタイルがある。
アクティブ運用:「日経平均株価」「S&P500」代表的な企業の時価総額から計算される「指数」がある。この指数を上回る成績を目指す運用スタイル。運用のプロが調査、分析し銘柄を選んで運用する。
パッシブ運用:指数に連動する運用成果を目指す運用手法。
アクティブ運用よりパッシブ運用のほうが機械的に運用できるため、販売手数料や投資報酬などのコストが少なく済む。
アクティブ運用のほうが成績が悪い。パッシブ運用がおすすめ。
投資信託は分配金を自動で再投資してくれる。
不動産バージョン投資信託。プロが不動産投資をし、賃貸料収入や不動産の売買益を投資者に配当する。実際に自分で不動産を所有、運用するよりも楽。
上場投資信託。日経平均株価やNYダウのような指数に連動するように運用されている投資信託の一種。
投資信託との違いは取引所に上場しており、株式のようにリアルタイムで取引できること。ETFは投資信託と株式のと口調を併せ持つ。
ETFには分配金の再投資の仕組みがない。すべて自動化できる投資信託がおすすめ。
長期投資のコツ
一回で大きい額を一気に投資しない
未来は誰にもわからないので投資したら上がるか下がるかは50%の確率を思う。
複数回に分けて長期で分散投資をする
時間の分散。買う時期を少しずつずらす。もし株価が下がっても株価が低いところで買って購入単価を少しずつ下げることができる。下落リスクをカバーできる。
長期で積み立てるなら指数を買う
将来その企業がどうなっているかわからないので個別企業株に全力投資はおすすめでない。日経平均、S&Pに投資する。
一定金額ずつ少しずつ分散させて購入する投資方法。成功させるコツは株価を見ないこと。淡々と決めた時期に買う。
運用を忘れていた人が一番パフォーマンスが良い。
新NISA8つのポイント
成人は1人1,800万円の投資枠がもらえる
この投資枠内で生まれた利益は非課税
生涯投資枠の上限は入金額で計算
生涯投資枠は買った金融商品を売ることで復活する
投資枠は2種類に分かれている
2つの投資枠では買える商品が違う
投資枠に入れられるお金には様々な制限がある
年間投資枠は、その年内には復活しない
年間投資枠は、その年内には復活しない
バケツ(生涯投資枠)に水を入れるためのコップは1年間に成長240万円、つみたて120万円の合計360万円。
バケツに入っている水は出し入れ可能だけど、コップは違う。
1年間にもらえるコップの水は360万円分。これをバケツに入れると減る。バケツの水を出したときにコップに戻せればいいが、ルール上コップには戻せない。
つみたて投資枠に込められた国の思い
国民に損を出さないよう少額ずつコツコツつみたててもらいたい。
個別株投資に失敗し株価0は避けたい。
国民には日経平均株価やS&P500のような指数に投資をしてほしい。
つみたて枠が成長枠と比較し上限金額が低いのは、少額をコツコツ積み立てることを意識した枠だから。
つみたて枠:金融庁選定の長期/積立/分散投資に適した投資信託(ETF含む)。個別株は不可。
「貯金から投資へ」を加速し、老後資金の構築を促進する。
投資をすると複利効果が得られる
複利:運用で得た収益を当初の元本にプラスして再び投資することで得られる収益のこと。利益が利益を生み、お金がどんどんふくらむ。
60万を年5%の利率で運用すると63万円。そのまま63万円を運用すると66万1500円となる。
このように再投資して大きくなった元本に利率をかけて得られる利益。
35年運用した場合
5万円✕12ヶ月✕35年=2,100万円
毎月投資して年平均5%で35年運用すると4,500万円になる。
投資は長く続ければ続けるほど複利効果の恩恵を受けられる。
新NISAのイマイチな点
・選べる金融商品の数が少ない
・他の口座と損益通算ができない
つみたて枠:金融庁選定の長期/積立/分散投資に適した投資信託(ETF含む)。個別株は不可。国側の思いが入ったルールなのでしかたない。
NISA口座は特別口座や一般口座と違って、損益通算や繰越控除ができない
損益通算
A証券会社で100万円の利益
B証券会社で80万円の損失 トータル利益20万円
証券会社をまたいだ場合、確定申告をすると損益を通算して税金を計算できる。これが損益通算。20万円に対してのみ税金を払えば良い。
繰越控除
ある年に損失が出ている場合、確定申告をすることで3年間損失を繰越して投資の利益から控除できる。
「投資で損が出た場合、確定申告をしておけば向こう3年間は投資で利益が出ても損失と相殺して税金を安くできる」ルール
NISA口座の損益通算と繰越控除
NISA口座での損失は税務上ないものとみなされ、損益通算も繰越控除もできない。
A証券会社の特定口座で100万円の利益
A証券会社のNISA口座で80万円の損失
同じ証券会社であってもルール上村駅通算できないので20万円と少しの税金を払わないといけない。
NISA口座で損失を出しても、損失を繰り越すこともできない。
NISA口座で頻繁に損失を確定せず、長期投資に利用するのが吉。
インフレのリスクを回避しろ
いろんな値段があがっている。このとき怖いのが資産を現金のままおいておくこと。貯金の一番のリスク。
デフレは経済の停滞。消費が低迷し、給料も上がらず物価も下がる。それよりはインフレで物価が上がり給料があがったほうがいい。実際日本は年2%のインフレを目指し経済政策をしている。
しかしインフレで物価、給与が上がっても今までためていた現金は価値が下がる。
(20ヶ月分の食費をためていたのに一気に10ヶ月分の食費に)
どうすればインフレによる資産価値の減少を回避できるか。その回答の1つが投資。
株式はインフレに強い資産。
企業の収益が増えるとその企業の価値は上がる。
株価指数に投資する。
NISA枠外での投資について
現状NISA枠がいで投資をしているなら止める必要はない
2024年になってから売却してNISA枠で買い直せば、2023年からNISA枠で投資していたのと同義(損失がでていた場合)
含み損がでていれば売却時に税金はかからない。
新NISAで投資した金融商品が値下がりしたときは
・慌てず売ろうとしない
・ドルコスト平均法の積立なら暴落はチャンス
・一度設定したら株価をみないくらいがちょうどいい
老後2000万円問題について
・あくまで平均的な試算
・大きな医療費や老人ホーム代は含まれていない
・住居費がかなり低く試算されている
・おそらく老後2000万円では全く足りない